【過渡現象】
平成7年度~令和6年度の30年間に出題された計算問題を第1-6表に示します。
全体の出題数は29問で、ほぼ毎年1問が出題される重要な分野です。また、問題の種別はA問題が約75%、必須のB問題が約20%で、選択のB問題が約5%となっています。
第2種一次試験の過渡現象の問題の過半数は、次の条件が組み合わされて出題されます。
- 電源:直流の定電圧源または直流の定電流源
- 回路素子の構成:抵抗とコンデンサの組み合わせまたは抵抗とコイルの組み合わせ
- 初期値:コンデンサの初期電荷の無しと有り、コイルの初期電流の無しと有り
また、RLCの直列回路の過渡現象については、回路方程式、初期値、定常値およびコンデンサまたはコイルに蓄えられるエネルギーについて出題されています(RLCの直列回路の電圧・電流の過渡項を求めることは難しいので、そこまでの問題は出題されていません)。
過渡現象の回路方程式は微分方程式になります。
微分方程式を解く方法には、「変数分離法」と「ラプラス変換」による方法があります。
第2種の二次試験の『機械・制御』では、毎年「自動制御」の問題が出題されますが、「自動制御」はラプラス変換をベースとした理論体系になっています。
したがって、電験の受験勉強をする上では、ラプラス変換を使って解く方法を学習することをお奨めします。
【電気測定】
平成7年度~令和6年度の30年間に出題された計算問題を第1-7表に示します。
全体の出題数は23問ですが、平成18年度以降は毎年1問出題されています。また、問題の種別はA問題が約20%、必須のB問題が約35%で、選択のB問題が約45%となっており、B問題の出題が多い分野です。
この範囲から複数回出題されているテーマは次の通りです。
- 交流ブリッジに関する問題
- 指示計器に関する問題
- 測定範囲の拡大に関する問題
- 測定誤差に関する問題
- 接地抵抗の測定に関する問題
次回は、「電子回路」および「その他」についてフカボリします。理論の最終回となりますよ!