
こんにちは。先週からスタートした、電気書院の電験プロフェッサー石橋先生による「電験三種の出題傾向を科目別に分析するシリーズ」、前回の「理論編」はご覧いただけましたか?今回はシリーズ第2回「電力」の出題傾向について掘り下げていきます。
第3種の試験では、令和3年度までは過去問の同一問題は出題されていませんでしたが、CBT方式が採用された令和5年度からは多くの同一の問題が出題されるようになりました。
電力では過去問のどこが出て、いつの問題がポイントなのか? ── データから読み取ってみましょう!
2.[電力]について
(1)[電力]の出題傾向は?
電力については令和4年から同一問題が出題され始めました。令和4年上期から令和6年下期までに出題された同一問題の出題年度を第2表に示します。
同一問題の占める点数は、問題数の増えた令和5年上期から令和6年下期の4回の試験で60~75点(平均で66点)で、4科目の中で最も少ない科目になっています。ただし、第2表には類似問題を含んでいないことを考慮すると、過去問の学習が非常に重要であることは言うまでもありません。
また、令和4年上期の問題が令和6年上期に繰り返して出題されており、直近の問題の学習も重要です。
【注】ここでは過去問と選択肢の順序が異なる問題および問題文中のごく一部の文章が異なる問題も同一問題としています。
(2)[電力]ではいつ頃の問題が出題されているか?
令和4年上期~令和6年下期の全6回の試験で合計54題の同一問題が出題されていますが、その出題年度をおおむね4年ごとに区分して第2図に示します。
これから次のようなことがわかります。
① A問題は第Ⅱ期の平成7(1995)年以降の全期間から出題されてます。
➁ B問題は平成15(2003)年以降から出題されています。
③ 出題数の多い平成15(2003)年~令和3(2021)年の出題数の合計は49題で全体の91%を占めています。
電力科目は、出題の中心が平成15年以降に集中しており、重点的に学習すべき年代が明確です。この傾向を踏まえて過去問を選別すれば、得点の安定化につながるかもしれません。
次回は、計算・知識ともに幅広い対応が求められる「機械」についてフカボリしますよ。