(1)電験2種一次試験はどんな試験?
電験第2種の試験は、平成7年度から一次試験および二次試験の2段階の試験になりました。一次試験に合格した者が二次試験を受験することができ、二次試験に合格すれば主任技術者免状が申請により交付されます。
二次試験は一次試験に合格した年度に受験できますが、その試験に不合格となった場合、次年度は一次試験が免除されます。ただし、次年度の試験も不合格となった場合は、一次試験から受験し直さなくてはなりません。
(2)電験2種一次試験の内容は?
一次試験は第3種と同様に、理論、電力、機械、法規の4科目について科目別に試験があります。その出題範囲は次の通りで第3種と全く同じです。
(3)解答方式は?
一次試験の解答方式は、マークシートに記入する多肢選択方式です。ほとんどの問題は、1問題について小問が5個あり、15個の解答群の中から選ぶ方式です。
(4)問題数と配点は?
各科目とも解答する問題数はA問題が4題とB問題が3題です。A問題は小問1つが3点で1題当たり15点、B問題は小問1つが2点で1題当たり10点です。したがって、各科目の満点は15点×4題+10点×3題=90点となります。
なお、理論と機械については、B問題は必須問題を2題、選択問題を1題解答することになります。したがって、出題数はA問題が4題+必須のB問題が2題+選択のB問題が2題の合計8題になります。電力と法規については選択問題は出題されません。合格点の基準は各科目とも90点の60%の54点ですが、難度によって合格点が下がることがあります。
(5)科目保留制度は?
一次試験については第3種と同様に科目保留制度が適用されます。
一次試験の結果は科目別に合否が決まり、4科目すべてに合格すれば第2種一次試験に合格となりますが、一部の科目だけ合格した場合は科目合格となって、翌年度及び翌々年度の試験では申請によりその科目の試験が免除されます。
なお、二次試験については科目保留制度は適用されません。
(6)各科目の問題の構成と難度は?
・理論
ほぼ全問題が計算問題で、第3種のレベルでは太刀打ちできないような問題が出題されることがある、一次試験で最も難しい科目です。
・電力、機械、法規
電力と法規については計算問題はほとんど出題されません。機械は約1/4の問題に計算が必要な小問が含まれますが、理論のように5個の小問の全てに計算が必要になる問題はほとんどありません。
したがって、これらの科目は論説問題が主体です。第3種よりも専門的な知識を必要とする問題も出題されますが、第3種合格の実力があれば、比較的容易に合格することができると思います。
(7)一次試験学習時の留意事項は?
電験第2種の最終目標は二次試験合格です。
一次試験の合格発表から二次試験までの時間は短く、また、次年度の試験で不合格となった場合は、一次試験から受験し直さなくてはなりません。
二次試験は一次試験と試験の範囲も難易度も全く異なります。二次試験の準備は一次試験の合格発表があってからでは遅すぎます。一次試験に合格した時点で、ある程度の二次試験レベルの問題が解けるようにしておかなければなりません。
したがって、一次試験の学習をはじめる場合は、同時に二次試験の概要についても調べ、自分の実力にあった学習計画を立ててください。
第2種の二次試験に合格するには、一次試験を合格するタイミングが重要です。二次試験の問題をある程度解くことができるようになるまで、例えば、一次試験の電力科目の合格時期を調整するなどの戦略も検討すると良いと思います。
1) 『理論』の計算問題の割合
平成22年度~令和6年度の直近の15年間で合計120問の問題が出題されていますが、このうち論説問題は3問だけです。
したがって、『理論』については出題される8問の全てが計算問題となることが予想されます。なお、『理論』の計算問題は5個の小問全てに計算が必要になる問題がほとんどです。
①『理論』の計算問題の割合
理論の計算問題の試験内容は、次のように分類しました。
理論の【静電気】の計算問題について
平成7年度~令和6年度の30年間に出題された計算問題を第1-1表に示します。
出題数の合計は31問で、ほぼ毎年1問が出題される重要な分野です。 問題の種別はA問題が約80%、必須のB問題が20%で、A問題として出題される割合が多くなっています。
特に出題頻度が高い問題は次の通りです。
以上、いかがでしたか?
次回は『電験2種一次試験「磁気」および「直流回路」』についてのフカボリしますよ!皆さん期待してお待ちください!