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【E+リサーチ】石橋先生が令和5年度下期電験3種試験を読み解く!第1回 歴史編

作成者: 出来詩音(いずきしおん)|2024/03/28 6:01:32 Z




 令和5年度電験3種下期試験が3月24日(日)に行われました。これで令和5年度電気主任技術者試験は終了しました。受験された皆様の手ごたえはいかがでしたか?
 

 当ブログでは令和5年度上期試験後にも電験3種の過去問題を深く、色々な角度から掘り下げた分析情報を発信し、多くの方にお届けしました。お陰様で大好評でした。

 そこで!下期試験が終了し、再び電験プロフェッサー石橋先生がリサーチ!そのデータを皆様にお届けします!

       
 まずは電験3種試験問題の歴史を深掘りしてみます。

 第3種の試験では、令和3年度までは過去問題と同じ問題は出題されていませんでしたが、令和4年度上期から過去問題がそのまま出題されはじめ、令和5年度の上期にはほとんどの問題が過去問題と同一の問題になりました。また、先日終了した令和5年度下期の試験でも同様の傾向になっていました。

 このため第3種の試験の学習においては、過去問の学習がこれまで以上に重要になると思われます。そこで、理論~法規の各科目について、これまでに出題された過去問と同一問題の分析とそれを踏まえた学習方法を検討してみました。

 各科目について触れる前に、第3種の試験の歴史について触れてみます。

(1)第 Ⅰ 期 五肢択一式の採用(1982〜1994年):表1−1
 電験は明治44(1911)年から始まった、110年以上続いている試験で、当初は記述方式の計算問題、論説問題、空白記入問題が出題されていましたが、受験者の急増に対応して、採点、集計事務の迅速化などを図るため、昭和57(1982)年から五肢択一式の出題に変わり、解答はマークシート方式になりました。
 このときの試験科目は理論、発変電、送配電、機械、応用、法規の6科目で、各科目の出題数はやさしいA問題が20問とむずかしいB問題が4問の合計24問でした。
 配点はA問題が1問あたり3点、B問題が1問あたり10点の合計100点、試験時間は1科目2時間で、1日3科目ずつ2日間に亘って試験が行われました。
 この試験方式は平成6(1994)年までの13年間続き、この間に1872問の問題が出題されて五肢択一式の問題の基礎が形成され、次の第Ⅱ期に多くの類似問題が出題されることになります。


(2) 第 Ⅱ 期 科目合格留保制度の採用(1995年~ ):表1−2
 平成7(1995)年から現行の科目合格留保制度が開始され、科目数が6科目から理論、電力、機械、法規の4科目になりました。 解答する問題数は各科目ともA問題が10問、B問題が2問で、配点はA問題が1問あたり7点、B問題が1問あたり15点の合計100点、試験時間は1科目90分で、試験日数は1日に短縮されました。
 平成15(2003)年に問題数が変更され、理論、電力、機械の解答する問題数はA問題が14問、B問題が3問で、配点はA問題が1問あたり5点、B問題が1問あたり10点の合計100点に、法規はA問題が10問、B問題が3問で、配点はA問題が1問あたり6点、B問題が1問あたり13点の問題が2問と14点の問題が1問の合計100点になりました。また、試験時間は法規のみが65分に短縮されました。 なお、平成7(1995)年~令和4(2022)年の28年間に出題された問題数は1794問になります。

<第2回は「理論編」、令和4年度(上期・下期)・5年度(上期・下期)の試験で出題された過去問題と同一の問題について、それらの問題が出題された年度についての調査データを公開します。ご期待ください>