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【電験三種】CBT導入後の出題傾向を徹底分析!過去問だけで受かる?【理論編】

作成者: なまきゅう|2025/05/07 5:00:00 Z


 こんにちは。今回から4回にわたり、電気書院の電験プロフェッサー石橋先生による電験三種の出題傾向を科目別に分析するシリーズ」をお届けします。
 令和5年から導入されたCBT方式により、過去問題と同一の問題が出題されるケースが増加しています。中には、数年前どころか約30年前の問題がそのまま再登場しているケースも!
 初回となる今回は「理論」科目について、「同一問題の点数はどの程度を占めているか?」「どの年度の問題がよく出ているのか?」などの分析や注目すべきポイントを整理していきます。効率よく学習するための資料として、ぜひご活用ください。

電験三種試験の変遷概要 

 電験3種の試験では、令和3年までは過去問の同一問題は出題されていませんでしたが、令和4年上期から出題されはじめ、CBT方式が採用された令和5年上期からは多くの同一の問題が出題されるようになりました。そこで各科目の出題動向について述べたいと思いますが、まず3種の試験の変遷について触れてみます。

第 Ⅰ 期 五肢択一式の採用(1982年~)

 当初は記述方式の計算問題、論説問題、空白記入問題が出題されていましたが、受験者の急増に対応して、採点・集計事務の迅速化などを図るため、昭和57年(1982年)から五肢択一式の出題に変わり、解答はマークシート方式になりました。
 このときの試験科目は理論、発変電、送配電、機械、応用、法規の6科目で、各科目の出題数はA問題が20題とB問題が4題の合計24題でした。

第Ⅱ期 科目合格留保制度の採用(1995年~)

 平成7年(1995年)から現行の科目合格留保制度が開始され、科目数が6科目から理論、電力、機械、法規の4科目になり、解答する問題数は各科目ともA問題が10題、B問題が2題になりました。また、平成12年(2000年)からB問題が(a)と(b)の2問の小問からなる形式に変わりました。  
 その後、平成15年(2003年)に問題数が変更され、解答する問題数が理論、電力、機械がA問題14題、B問題3題、法規がA問題10題、B問題3題になり、現在に至っています。


1.[理論]について

(1)[理論]の出題傾向は? 

 令和4年上期から令和6年下期までに出題された同一問題の出題年度を第1表に示します。  
 理論については令和4年上期から同一問題が出題され始めました。また、同一問題の占める点数は、令和5年上期から令和6年下期の全4回の試験で70~100点(平均で86点)になっています。

 さらに、第1表には類似問題を含んでいないことも考慮すると、過去問の学習が非常に重要になってきたことがわかります。

 また、直近の令和5年上期から令和6年下期の全4回試験の間でも4題の問題が繰り返して出題されており、直近の問題の学習も重要であることがわかります。

【注】ここでは過去問と選択肢の順序が異なる問題および問題文中のごく一部の文章が異なる問題も同一問題としています。



(2)[理論]ではいつ頃の問題が出題されているか?

 令和4年上期~令和6年下期の全6回の試験で合計77題の同一問題が出題されていますが、その出題年度をおおむね4年ごとに区分して第1図に示します。

 これから次のようなことがわかります。

 ① A問題は第Ⅱ期の平成7年(1995年)以降の全期間から出題されてます。

 ➁ B問題はほとんどが平成15年(2003年)以降から出題されています。

 ③ 出題数の多い平成15年(2003年)~平成30年(2018年)の出題数の合計は59題で全体の
 77%を占めています。

 今回みてきたように、「理論」では平成15年〜30年あたりの過去問題が数多く出題されています。これは過去問演習の優先順位を考えるヒントになると思われます。
 次回は「電力」についても同様に分析しますので、ぜひご覧ください。

 

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