電気書院E+アカデミーからのお知らせ

【E+リサーチ】電験3種、合格まで何回受ける?

作成者: 出来詩音(いずきしおん)|2022/09/05 3:00:00 Z

 みなさんこんにちは。電験3種上期試験お疲れ様でした。

試験から2週間ほど経ちましたが、手応えはいかがだったでしょうか?自己採点が「まだ」という方は、電験3種上期試験解答速報(令和4年8月21日実施)より解答速報をダウンロードいただけますので、ご活用ください。

 また、9月5日本日12時より試験結果のWeb公表がありますね。(8月31日に公示され少し驚きました)
 例年だと10月下旬の合格通知の郵送を待つまで合否の確定ができませんでしたが、今年から上期下期と年2回に試験回数が増えたことと、政府のICT推進政策の流れもあって、結果公表の期間短縮が実現したのかもしれません。

 Web公表について詳しくは一般財団法人電気技術者試験センターのホームページ「お知らせ>第一種・第二種電気主任技術者一次試験及び第三種電気主任技術者上期試験受験者の皆様へお願い」でご確認ください。

資格試験合格への道:電験3種チャレンジ回数

 さて、合否については自己採点でも概ね予測できますので、この記事の読者は「合否がどうのこうの」よりも、自分の実力が他の受験生と比べてどうなのか?を知りたいのではないでしょうか。

 今回の試験は「簡単だったのか?難しかったのか?」も知りたいところだと思いますが、そもそも「みんな何回目で受かってるの?」というのが気になるところ。

 そこで今回は「電験3種チャレンジ回数」をテーマに、E+アカデミー調査班(といっても小職1名プロジェクト…)がリサーチを行いましたので、その結果をご報告いたします!

 

令和3年度電気技術者試験受験者実態調査では?

 電験3種試験の実施機関※1「一般財団法人電気技術者試験センター(以下、試験センター)」の「令和3年度電気技術者試験受験者実態調査(令和4年3月)」によると、「令和3年度受験申込者の受験回数」は『初めて:18%、2回目:11%、3回以上:24%』となっています。合計すると100%にならないので「???」と思う読者もいると思いますが、これは調査対象(母数)のうち未回答47%を含めての百分率のためです。未回答を除いた「受験回数」の比率は下図の通りです。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和3年度電気技術者試験受験者実態調査(令和4年3月)」をもとに、筆者作成
 
 
一発合格は最大で34%、実際は…?

 「初めて」が34%、「2回目」が21%、そして半数近くの45%が「3回以上」受験されているようです。これは、受験者のアンケート回答の結果で、この調査からは「合格まで何回受験したか?」はわかりません。ですが、推定することは可能ですので、調査班では下のように推定しました。

・一発合格の可能性:4%〜34%

 すごく幅がありますね。その根拠は、

  1. 最大:4,357名※2(合格者)÷12,826名(推定「初めて」受験者数)=34%(合格者全てが「初めて」の場合)
  2. 受験回数分布からの推定:4,357名(合格者)÷37,765名(受験者数)×34%(構成比率)=4%(合格者の34%が「初めて」の場合)

 1.は初回受験者からのみ合格者が出た場合、2.は全体の合格率(11.54%※2)に推定初回受験者数の構成比率を掛け合わせたもの、です。実際の感覚としてどうでしょうか?「2回目」「3回以上」の方が「初めて」に比べ相対的に合格率が高いと推定されるので、実際には4%より少なそうです。一発合格はかなりハードルが高いと考えられますね。

 このように受験回数の分布から推定すると、一発合格は25人に1人受かるかどうか、というぐらい電験3種は難易度の高い資格試験であることがわかります。ちなみに2回目以上で合格する確率は、受験回数の分布からの推定では約8%、一発合格の2倍程度の合格率と推定できます。(受験者数が単純に「初めて」の2倍だからあたりまえなのですが…)

 

合格までの受験回数は?

 さて本題、実際に受験生のみんなは合格までに何回ぐらい受験しているのでしょうか?試験センターの調査資料では「3回以上」の内訳がわかりません。そこで調査班では、上期試験直後に受験回数の調査を行いました。結果は下図の通りです。

 概ね試験センターのデータと似たような構成になっているので、信頼性はありそうです。あらためて試験センターの受験回数の構成を比較すると、試験センターは3回以上が45%、E+リサーチでは42%です。

 ヒストグラムでも確認してみます。こちらの方がわかりやすいでしょうか?受験回数が増えるほど受験者数も減っています。最頻値が1、中央値が2、平均が2.55、で試験に合格するまでの受験回数は少なくとも2〜3回と言えそうです。ただし、あくまで調査データから推定すると、という話ですので、参考程度に考えてください。(合格まで何回?という質問ではなく、試験センターの調査と同様、過去に電験3種の試験を何回受けたか?という質問への回答を集計したものです)

 

まとめ

 電験3種に限らず、どの資格試験もそうですが、少なくとも1回は試験を受けるため、当然ながら「初めて」の受験生が多くなります。ここで注目したいのは、2回目受験が「初めて」受験の半数程度を占めているということです。

 このことから単純に受験生の半分は2回は試験を受けているということが推測できます。さらに、3回目、4回目は2回目からあまり減っていません。5回目からガクンと受験者数が減るのは、4回目で合格した、あるいは4回目で合格しなかった場合に、ここで諦める人が多いからでしょうか?

 本調査では平均して2〜3回は試験を受ける人が多いだろうと推測しました。とは言え、運よく1回で合格する人もいるでしょうし、一方で受験生の半数近くが3回以上です。本調査では7回が最大値になっていますが、実際に7回以上のケースもあると思います。諦めずに腰を据えて取り組むことが、電験3種の合格には大切なことかもしれません。

 

 E+アカデミーでは、資格試験にチャレンジする受験生のみなさんが知りたい「あれやこれや」をいっしょに考えていきたいと思っています。「こんなことが知りたい」「ぶっちゃけあれはどうなってんの?」など、資格試験に関する疑問・質問を、本ブログにお気軽にコメントください。E+アカデミー調査班があなたのためだけに徹底的に調査します!

 

※1 電気事業法に基づく第三種電気主任技術者試験の実施に関する事務を行う指定試験機関
※2 一般財団法人電気技術者試験センターホームページ「試験実施状況の推移>第三種電気主任技術者試験(更新:令和3年10月)」に基づいた数値 https://www.shiken.or.jp/situation/s-chief03.html